みなさまお元気でいらっしゃいますか?私はだいぶ心身ともに平穏な日々を取り戻しつつあります。前のように毎日毎日まだ書けないのですが、その分前よりは構想を温めてから書こうとおもっております。
先日のみなとみらいコンサートで、私の恩師、一番最初の専門的なピアノの先生、M先生にきていただくことができ、(先生に会っていなければゲイダイガクリカには行っていなかったでしょう。。)先生の感想を母校の同級生から聞いたところによると、「フォルテピアノの奏法は自由だから彼女にあっていたのかしら?」とのこと。
そこですごく思い出したのが、やはり恩師の故小島芳子先生のお言葉で、初めてレッスンにいったとき、最初っから「フォルテピアノの奏法って具体的に何が違うのでしょうか?」と質問してしまった!時に、「10年やらないとね!」と笑顔で答えてくださったこと、鮮明に覚えています。今ちょうど9年経って思うのは、確かにオランダにいってからというもの、古典派の音楽を理解する基礎知識、楽譜の読み方捉え方、楽器について、それぞれの楽器の特性をすぐつかむこと(初めての楽器で、10分経ってもおろおろしていたら、2年目には怒られていた。。)要は「型」-古典派に共通する「型」は学んだのだけど、(学んだというよりも、ずっとそういう人たちに囲まれていたので、自然と耳にはいってくるのが、そういうスタイルであったということ)それを押さえたら、あとはやっぱり「個」の部分が強いのかもしれません。「型」を押さえたらあとは自由に羽ばたけるような。。
やっぱり「~先生の弾き方」とか流派とか、そういうのってとっても根強いと思うのですけど、そういうものじゃなくって、もっと客観的なもの、いつでもどこでも振り返ったら安心して戻っていって、またエナジーを蓄えてこられるような、そういう「型」を、今考えると伝授されていたのだなあと。そういえば「僕の真似したってだめだからね!あとはめぐみの考えで弾いて、驚かせてね!」て、よくいわれてたな。試験の直前になっておかしくなると、「今までやったことはすべて忘れて、すべて自分でやってこい!」と。。。
私が弾いたバガテルについて、何人の方からか質問や感想をいただきました。あのリピートをした時の異様な弱音の種明かしは、「モデレーター」といって、弦の下にフェルトがくるので、とても柔らかで小さな音になるのですけど、あれをオランダの先生方の前でやったらどうなるのかなあ?「やめなさい」といわれるかもしれなけれど、あの時のあの場所、あのホールの感じ、お客さまの感じ、そしてなによりあの楽器の感じを重視したらああなって、そういう楽器との一期一会な付き合いかたも、やっぱりフォルテピアノならではなのかなあと思っております。
長くなってしまってごめんなさい。秋の夜長についついです。。
フォルテピアノの奏法について
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