フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

回想録

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 はてさて、今日も一日無事に過ぎてゆく。。。音楽をすることが尊いということが十分解っていながら、時々無性につらい時がある。楽しいときもあれば自分の中身を抉り出されるようでもあり、やはりそれを音で聴くのはつらかったりもする。。そんな時やはり励みになるのは、6年間みっちり修行して下さったオランダの先生たちとの思い出。ちょっと学生のときのことを回想したりしてみたりする。これが結構元気になる!
 巨匠スタンリー先生は、憧れの恩師であり、とうぜん直に習うことは無理でしょうと思っていただけに、修士課程に合格した時、あっさりと「いいよ!」とその返答が一秒であったのは意外であった。そして、その独特の雰囲気のなかにつつまれる音の味わいは、なんといったらいいのだろう、やはり彼独自のポリシーと、音楽への深い愛着がいつも聴こえた。そういう時間をいっしょに過ごすことができたなんて!本当に素敵なことだったんだなあと改めて思う。
 性格の対照的なバルト先生からは本当に基礎の基礎から教わった。根気強く指導していただいたことは本当に有難いし、一年目なんて、たぶん、もう英語とかじゃわからないから楽譜に絵!とかかいたりして意思疎通を図ったことなんかもいい思い出。まあ、もっとも先生の英語はとても早口なのだけどね。。ある日は私が書き込みをした楽譜を、もっていっちゃって、「もう勉強しすぎてフレッシュじゃないから、ボクが持っておくよ」って、本当に一年間楽譜を保管?してくださったり。。まあ楽しい思い出はきりがない!
 そうやって思い返すと、やはり「時」って本当に、貴重。いい時間を過ごすことも大切だけど、いい時間ばっかりではやはりそれをとてもいいと感じることもできなし。。。でもせっかくすぎていくのだったら、自分は楽しい時間を、いい音楽をやっていきたいなと。そう心に決め、今日はめずらしく早く休みます。
 写真は6月にベルギーで撮ったもので、クリス・マエネさんの新しいアトリエ見学の際のものです!

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