フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

怒涛の日々

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 9月4日のコンサート、無事終わりました!大盛況のうちに終えることができ、幸せな夜を過ごすことができました。これも皆様のお蔭です!本当にありがとうございました!

 オペラシティのリサイタルホールは、とても心地の良い空間で、お客様がどういう感じで聴いてくださっているか、空気を読みやすい場でした。大勢のお客様がびっしりという感じにステージからは見えましたが、それでもひとりひとりの感じがつかめて、溶け込みやすい雰囲気でした。

 毎回思うのですが、ひとりのお客様がいらしたらそれだけでとてもうれしいのに、「たくさん」というのは緊張するどころか逆に「うれしい」というモードになりますね!(だったらなぜ直前で緊張するのかという疑問もまあありますが。。。)

  私自身も初の試みで美食と音楽ということでどういうふうになるのだろうとわくわくしてましたが、裏からモニターで見ると、皆様楽しそうで、笑顔の絶えない会でした。(そこに出演10分前のホセくんがぬぼっと現れたりしているのにはさすがに「おいおい」と思ったけど、まあ本番がいいからOK.) 自分が思っているところの、理想の「音楽会」の形が確かにそこにはあったと思います。見知らぬ人どうしがいきなり音楽とか食とかを通して仲良くなったりとか、また一期一会のすれ違いであってもそれはやっぱり素敵なことだなっていうのを、みんなが共感しあえる場所をつくること。音楽会を開いて、毎回自分だけが「よかった」といわれることは、それはそれでとても有難いことだけど、この日本の社会の中で人がちゃんと息ができて憩える空間、そういうものをもっと作っていきたい!という願いのもと、かなり短いスパンで、ここまでできたことには本当に有難い気持ちでいっぱいです!関係者の皆様、そしてご来場いただいた方々には本当に本当に感謝しております!これからも進行形で、丁寧につくっていきたいなって思いました!

 自分の音楽を振り返ってみても、本番になったらちゃんと「見える」というか、これは非常に私の感覚の領域だから、言葉におこすのは難しいのですが、音楽が始まったら「スイッチをいれる」という感覚ではなく、「スッ」と音楽に溶けていくというか、溶けていくなかで、かなりはっきりと、タッチしようとする瞬間や、その後の音の感じも鮮明に「見える」というか。。だから、もっと心配せずに弾けたらいいのにねとおもったり。そこから先はメンタル力なんですが、これも徐々に底上げをしていけたらなと思います。やはりお客様のあの張り詰めた集中力と、こちらの感じがピタ!っと会う瞬間は、緊張の先にしか存在しない大切な聖域というか、そして其の中で演奏ということをしていくことは、自分のとっても好きなことなんだなというのがわかって、大変貴重な経験になりました!

 もうすぐアントニオ氏との公演もあるので、引き続き自分のマックスで挑みたいと思っています。よろしくお願いします!

 

 

 

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