はてさて、時よとまって!と思うほど無常にもさらさらと流れていって、毎晩かなりギリギリのラインで戦っています。
今日は横浜の非常に有意義なレクチャーに朝から参加!ねむいのなんか、ぱーっと吹き飛んで、佐々木先生のお話に集中した2時間でした。日本人でありながら、あのような切り口で西洋音楽を体得しようという、その心意気と真摯な気持ちに感動したのであります!その内容はまた今度アップできたらしたいなと。私なりの言葉でまとめる時間が必要です!
この「ティータイム連載」も後半になりました!今日はタイトルだけじゃ?なんですが。。
テンポ・ルバート公演のプログラムで、「アジア初演」を含む、「イタリア系」の3曲ですが、弾けば弾くほど「3度」がいっぱい登場!「3度」とは、たとえばド音を弾いた時、3度上に音を重ねる、つまりドから数えて「ミ」の音、このように「3度」がなぜかとても多い!その理由はもうすぐ来日するアントニオ氏に尋ねてみるとして。。
ラウッツィーニとジョルダーニは、基本的に奏者二人にこの「3度」が振り分けられている(例えば、セコンドの人が「ドレミレド」と弾いたら、プリモは「ミファソファミ」と旋律をうたう)のだけど、ピアノのテクニシャン、クレメンティ先生の楽曲(プログラムの一番最後に予定している曲)になると、そうはいかない。。この「3度」の重音がおのおのの奏者にあるので、より華やかではありますが、技巧的には難しいのであります。しかも合わせるのは容易ではないと、いまからすこしドキドキしているのであります。
このクレメンティ、歴史の妙とでもいうべきか、かのモーツァルトと「演奏試合」をしているのであります。時は1781年12月24日クリスマスイヴ。場所はウイーンのホーフブルグ宮。モーツァルトは25歳であり、クレメンティは29歳の時の出来事です。結局ジャッジをした皇帝ヨーゼフ2世によって、モーツァルトが勝者となるわけですが、モーツァルトいわく、「クレメンティは優れたチェンバロ奏者である。右手が器用でお得意は3度であるが、ほかには何も表現しない職人である」と辛口の批評ではありますが、「3度」の達人であったことはこの文からも伺えます。のちのベートーヴェンにいわせると、「モーツァルトのピアノソナタよりもクレメンティのソナタがいい!」とか、まあいろんな意見があるのですが、私達がとりくんでいるハ長調の明るい4手用ソナタ、とくに終楽章のテンポのなかで、どのような「3度」が聞こえるか、よ~く耳を傾けてみてくださいね!私もいまからわくわくしているのであります!
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