フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

演奏会前のティータイム(5) イタリアとドイツの違い

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アントニオ めぐ リハーサル _R.jpg  

 

 はてさて、やっとすこし落ち着いてきましたが、無事アントニオ氏も来日し、コンサートの準備も着々と整いつつあります!
  今日のリハーサルで、ベートーヴェンのウイーンでの恩師、アルブレヒツベルガーのフーガにとりかかっていたところ、「めぐみの演奏は音がハッピーすぎるよ」といわれ、なんのこっちゃと思っていたのですが、「ハッピーを表現するのに、イタリア人の仕事が早くおわってハッピーというのと、ドイツ人の「さあ仕事だ、はりきってやろう!」という気質からでてくる音の方向性は全然違うよ!」と言われたときに、ハッとしたのであります。きっとオランダに暮らしていた時は、生活がそんな感じなんで、自然とできていたこともあるのでしょうね。そういう面でもヨーロッパ人といっしょにお仕事させてもらうっていうのは非常に刺激的なのであります。だから、このある意味「ドイツ人的」フーガも「音はもっと重めにとって、厳格に、表現しなきゃならない、笑顔はこころのなかだけにしときなさい」といわれ、そういうことを気をつけていくと、なんだか音楽が香水のようにそれぞれの曲にあったスタイルで立体的に立ち上ってくるのであります。
 この「連弾」という芸術は、もちろん、前回もすこし書いたように手のポジションとか制約が多い中で、いかに二人のエゴを、一つにまとめていくか、という、かなり高度なことを求められるのですが、人間の創造力っていうのはどこまでもすごいなと、あらためて認識させられる今日このごろ!前よりもかなり息があってきたなと感じるリハーサルでした!

 

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