フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

思い出深い師匠たちとの語らい オールト先生とのこと

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Mr van Oort and Mr Hoogland_R.JPG 

 いやいや、WBCのまさに死闘、いままでこんなに長い試合をずっとみていたことはあったかしら!実は昔から野球ファンで、高校のときは神宮球場へ通っていました。ファンだったAD選手の最後の試合は涙を流しておりました。。高校生の記憶ですが、大切なことは覚えています!

 さて、私はネットサーフィンってほとんどしないんですが、オランダで6年間師事していたバルト・ファン・オールト先生のレビューをたくさん見つけて、うれしくなりました。私はこのネット世界はいまいち使いこなせていないけど、そうやって先生の演奏を素晴らしいといってくださる方が、ヨーロッパからはるか遠くの日本にもたくさんいらっしゃるんですね!とてもうれしいことだと思います。

 私が運命的にバルト先生に習うことになったのは、2000年のベルギーで行われたマスタークラスでして、その夜会に先生がハイドンの演奏会をなさった時に、ソナタ変イ長調(HOB.XVI:46)の第二楽章(変ニ長調)を演奏し始めた時です。自分の脳と身体のなかに、衝撃が走りました。今までピアノというか、鍵盤楽器を通じて聞いたことのないものがでてきて、先生に留学をお願いすることを即決しました。(いや、本当はドイツに留学したい気持ちもあったので、そこから紆余曲折あるんですが)でも結局はあの日に感じた感動を忘れずことができず、身体の直観に任せた留学となったわけです。結果として私はとても幸せな6年間を過ごすことができました。とても優しくフレンドリーな反面、よくもまあ言葉でそこまでいろいろ表現できるなと、4小節弾くのにも苦労の連続でした。先生の演奏の特徴は、なんといっても軽やかさ、しなやかな奏法、理性的な分析、そして何の言語にも通じていること。「ノクターン集」を聴いてもわかるように、雄弁な右手、そして拍のなかでのうまいテンポ・ルバートには魅せられました。ライブで聞いたのは、アムステルダムのイギリス教会でモーツァルトの「リゾンは森で眠っていた」のヴァリエーション、圧巻でした。いまでもあの最後の6度のグリッサンドはよく覚えております。

 本当に久々に連絡をとりましたが、お元気そうでなによりです。また夏にお会いできたらと思っています。

 写真は2009年にクリスマエネさんのアトリエをお邪魔した時のことです。バルト先生とスタンリー先生。

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