フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

桜の嵐

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 今日はすごい風でしたが!練習はちゃんとできました。今は必死でプログラム書いております。桜の花吹雪の下を自転車で通過しましたが、悲しいというよりも、空気が澄んでいたので、逆に凛とした気分になれました。

 書いていると、いろんなことが浮かびます。ウイーンへ行って、一人でオペラを見て、そのあと、人間観察をして、ふとさみしくなって夜の街をひとりで歩いてみたりとか。。あの町特有のなんともいえない物悲しさ、はかなさをひしひし感じた瞬間を思い起こしてみたり。でも、そういうのってシューベルトの音楽やるときには特に必要かも。至るところにちりばめられている三連符の歌い方が違ってくるかなって思っています。本当に、やっぱりすごいなって。「魔王」のときみたいに、それは、馬が走っていくリズムにもなり、連弾曲「人生の嵐」では、もうPPPのところで、完全に彼岸の世界からの便りみたいなふうに響いたり、「幻想曲ヘ短調」でも人生のどうしようもない流れに対抗する三連符だったり。。そのバリエーションの豊かさから、いかにシューベルトが全魂を注いで生活のあらゆる場面を音楽にしていったんだなって、そう読み取れるから、やっぱりすごいな。メッセージが濃いなって。だから、マスターピースって、人生の節目節目で、しっかりやっていきたいし、その分、たくさんたくさんやることが増えていきます。だから、とても楽しい!

 

 

Trackback(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 桜の嵐

このブログ記事に対するトラックバックURL(TrackBack URL for this entry):
http://megumitanno.net/mtos/mt-tb.cgi/275

Comment