フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

November 2008Archives

近況

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 大変ご無沙汰してしまっております。スミマセン。。毎日書きたいことが山のようにあるのですけど、たまりすぎちゃってどこから書いていいのやら。。。
 最近の私は、ちょっとまた音楽とは違うお仕事をやらせていただきながら、いろいろな方にめぐり合い、日本のすばらしいところを日々発見しては感動している毎日を、おかげさまで過ごさせていただいております。日本人の心をつくしたお仕事の仕方、キメ細やかな対応の裏で、どれだけ皆が苦労をして働いているのか、想像を絶する世界です。そしてそういう世界にずっと生きていなかったので、私にとってはとても新鮮で日々が楽しいし、いかに変わった人種の人たちといつもいて、ガヤガヤとやってきたのか、よくわかりました。どっちがいいとかではなくって、やっぱり私の音楽観は、たくさんの方に伝えていきたい、人間として普遍的なものを大事に音楽に盛り込んでいきたいので、今回のお仕事はいろいろな意味でやはりとても大切な時間だと思っております。その合間には福島章先生のお書きになったベートーヴェンの本を読み、漱石とベートーヴェンの類似点を取り上げていらっしゃったので、なるほど!とまたうれしくなりました。どうりで私は小さい時から漱石が好きなわけだ。。斬新な切り口でベートーヴェンの内面に迫っていて、すばらしい本です!
 それと最近読んだなかでは、よしもとばなな先生の「彼女について」―今までも8割以上よしもと作品を読んできましたが、今回ほど心が忙しく感動したり、軽くなったり重くなったりしたことはありません。いままではいつもほんわかとあったかくなるような感じ(私にとっては)だったのですが、今回は読んだあともいろいろと考えちゃいました。ばなな先生の新境地もすごいのですけど、ひとりの人間が進化していく過程―「キッチン」からこの作品までの流れを考えると、これもまたすごい興味深いというか、一貫して伝えたいものがはっきりしているのですけど、それがどんどん緻密になってますます人の心を動かして、さらに深く深くなっていく。。やはり魂のもちようで、人はどんどん向上していくのだなと、私自身もそうありたいなと、そんなことをふと考えつつ、今日もまた中国語をききつつ、就寝しまーす!

最近のはまっている3冊

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 皆様、いかがお過ごしですか?最近は日常生活は忙しいのですが、心の平穏はまあ確保できていて、それはやはりおもしろい本3冊のお蔭かなと思っております。詳しい解説はまた後日にして、とりあえず題名だけ

1 「ほんとうの心の力」 中村天風先生 (PHP研究所)―この本は何か心がおかしくなってくると必ず手に取る本です。最近私の友人Y子さんもはまっていて、やっぱりまた全部読み直して、気に入ったところを覚えるようにしています。

2 「禅、「あたま」の整理」 藤原東演先生 (知的生きかた文庫)―「禅」のことを詳しく、その言葉や句の起源にまで遡って、それを先生ご自身の体験と結び合わせてわかりやすく解説してあるので、とても日常生活に役立ちます。

3 「千年の祈り A Thousand Years of Good Prayers」 イーユン・リー (新潮クレスト・ブックス)― いやーこの本は、はじめて吉本ばなな先生の本を読んだときと同じくらいの衝撃的な、斬新かつ、あまりにも人間の心の、奥底にうごめいているものをよく捉えていて、すごい!お話は信じられないくらい非現実なので、話の展開に驚くことばかりなんだけど読んだ後のなんとも言えない、人間の現実的な感覚をものすごく研ぎ澄ましてくれるような読み応えがあって、今年読んだ中でも、花マルでございます。

人を感動させるもの

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 長い間ご無沙汰してしまいました。すみません。。私も音楽家として少しずつ動き出しています。すでに来年のホールやらスケジュール、曲目等、大まかに決まってきています。これ、結構重労働です。でも、こういう部分をどう進めたらいいのか、学校を卒業してやっと少しわかってきたから楽しんでやれるようになってきたかも!です。
 この前書いてから10日間くらい?の間にやっぱりまたいつも温かく見守ってくれている友人知人、そして新しい出会いもあり、やっぱりいつもめまぐるしく自分の周りは動いていて、そんななかでとても楽しく日本にいられるこの幸せ。そう、私は今とても日本にいることが幸せです。なんでだろうか?と考えたんですけど、最近は本当にいい雰囲気や素敵なオーラをまとった人に会いやすいからなのです。
 つい先日も、ちょっと違ったお仕事をして参りまして、芸能関係の「オフィス・タカ」の方たちと間近でお話させていただく機会がありました。あの、短い間なのですが、皆様の仕事ぶり、一生懸命さに実はめちゃくちゃ心を打たれていて、1日目終わって自己反省して、2日目はもっとちゃんとやらないと余計にご迷惑がかかる、とすごく思ったのです。それはやっぱり事務所の方達のお仕事の丁寧さ、親切さ、熱心さがとても心地よくもあり、またピシっとした雰囲気を作っていて、こんな私でも何かのお役に立てるのがうれしかったのであります。それで想ったのです。「この方たちをここまで思わせるE先生はどんな方なんだろう?」て。人の気持ちをここまで惹きつけることのできる人間はそうそういないし、それが何十年という単位で続いていくわけだから、やっぱりすごいなあ!これからはテレビをちゃんと観よう!そしてこっそりとその秘密を探っていきたいと思います。
 そして誰かが誰かを真剣に想う気持ちっていうのが、やっぱり幸せの連鎖につながるのだなって、ふと宇野千代先生の「ハナサカばあさんになって、幸せの種をまく」っていうのを思い出したのです。明日もまたがんばって、少しでもいい仕事したいです!