フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

December 2008Archives

心の浄化

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 クリスマスの夜、いかがお過ごしですか?
 
 私の半日は、来年のプランニングでやることた~くさんなのに、イマイチやる気のスイッチが入らず。。なんでだろうと考えてたら、わかった!それは「ギャップ」―
 家から見える多摩川は水面がキラキラしていて、お天気は最高で、聖なるクリスマスに完璧!なのに、テレビをつけたら、つらい。なにみてても悲しい。このギャップをどうしたら埋められるかと考えてたら、自然と光子さんから頂いたベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」のCDに手が伸びてました。
 私たちの住む世界は、いろんな情報でいっぱいで、見るもの聴くものが本当に自分の精神にまで良くも悪くも影響しちゃう。だったら、なるべくプラスのイメージのものと接して暮らさなくっちゃいけない。そしてベートーヴェンの音楽をきいてたら、心が落ち着いてきて、ただの癒しじゃなくって、次に進むパワーみたいなものをもらいました。
 今日みたニュースでものすごく考えされられたのは、「愛」について。自分の中の愛情タンクが常に満ちていること、またはそれが減ったり増えたりするのをちゃんと自分で見ててあげていること。どんなにつらい人生を歩いていても、過去には戻れなくっても、今から自分へ、たったひとりの自分へ愛情を与えることは今すぐできる。そしたら周りの人も結果的にハッピーにすることができる。そんなことをふと考えました。
 
 そんなわけで、今年のクリスマスは自分を内観し、静かに、和やかに、大事なひとたちと迎えることができました!皆様も、素敵な時間を過ごされますよう、心よりお祈りしております!メリークリスマス!

スペシャルな夜たち

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  Yukionna3_R.jpgYukionna1_R.jpgAfter Concert on the 13th Dec 2008_R.jpg 

   皆様いかがお過ごしですか?私はたくさーーんやることがあるわりには、今日も某デパートで盆栽を見て、苔と小さいお花のバランスに魅かれて、またまたお財布が緩んでしまいました。。でも今一生懸命お掃除して、玄関に「ぽ」っと、ひっそりと息づく様子をみていると、うふふ。。暗闇にもしっかり映えていて、静寂のなかに何かがちゃんと宿っているのを感じます。(素敵なオジサマの心のこもったお手製感もバッチリ!)
 さて、13日土曜日は、もう10年近くのお付き合いになる男性3人とコンサートと、ヴェトナム料理!(実はあんまり得意じゃないことがわかった。。でも甘い物になると俄然大好きなこともわかりました。)「Celtic Xmas」というコンサートに出陣!お友達の殿方達は毎年のように行っていたことも判明!英会話教室をきっかけに発足したこの輪、毎度のことながら知的なお話から、しっかり男性からみた女性像にちゃんと!つながり、最後はなんと人間的な、小学校の道徳の時間を思い起こさせる、シンプル且つ普遍的なところへ行き着くという!コンサートの多様な音たちも印象的だけど、いつもこの会の後は、ふむふむと納得しながら考えながら帰路に着くのでした。
 そして次の日は、これもまた大切な同僚のひとり、亜弥子ちゃんのコンサート。塙 京子さんとのデュオ。正直な感想を言うと、本当にとても良いコンサートでした!もっと大きなところでやっても良かった!
 「雪女」というタイトルは、日本人ならピーンとくるのでしょうか?私は実は始まるまで「?」。(恥ずかしい・・)ピアノを弾くだけかと思ったのに、いきなりめっちゃ声の深いナレーションを始めたので、「おおお!」と一人感激!そして歌の方も一人で2役を演じながらの熱演。そして、古今東西の傑作中の傑作を集めた歌曲を合間にいれていくという、手が込んでいるコンサートでした。そして最後の歌曲、中田喜直の「霧と話した」になって、それまでの流れが良かったので、ぐっとお腹に力が入り、久々にじわーっと感動している自分に出会ったのでした。名曲とか傑作とかいわれている作品って、結局は人間の誰しもがもっている感情をとってもシンプルにした形だから、やっぱり聴いていて心地よくダイレクトに響いてくるなあと。「名曲」が「名曲」である所以をヒシヒシと感じた夜でした。またこういうコンセプトで、どんどん展開していって欲しいなあ!

自分のルーツ

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  ハンスさんとめぐ_R.jpg光子さんと2_R.jpg文化堂_R.jpg 

 だいぶ冷え込んで参りました!皆様はいかがお過ごしですか?今日は自宅でゆっくりと冬ごもり。お世話になった人たちへ感謝の気持ちをこめてクリスマス・カードを書いて過ごしました。
 昨日は盛りだくさんでした。写真家のYさんに誘われて、「ベルギー・ビールの勉強会」なるものに行って参りました!12種類のおいしーいビールを昼間っから味わい、(あまりにもおいしいので大抵一気呑み。)ハンス・ルーベンスさんという小西酒造の方のお話があまりにも上手く、(日本語完璧!脱帽!)やはりものごとにはどうすると一番おいしくいただけるかという、徹底したビールの注ぎ方、料理との相性などがあり、本当に勉強になりました!ちなみに私が特においしい!とおもったのは「マレッツ・ブラウン」と「オルヴァル」でした。
 そのあとは、たまたま先月12年ぶりにとあるコンサートでお会いした、CD レコードやさん「文化堂」の光子さんを訪れてみました!何かのご縁で、やっと昨日「文化堂」という味のある、すばらしいお店にたどり着き、しかも光子さんとの温かい時間は、なんともいえない不思議な感覚をYさんと私にもたらしました。「スタンリー・ホッホランド氏はすごい素敵なピアノを弾くのね~」とCDを出してきてくださって、「オランダでの師匠だったんですよ!」「ええ??」から始まり、12年間の話はお互いにとまらず、最後は女性3人でいっしょにおいしい鴨そばもいただいちゃって、心も体もあたたまる素敵な時間をいただきました。
 「自分のルーツ」と題したのは、ベルギーという国が、私にとっては最初のヨーロッパの国で、2000年に腹を据えて思いっきり飛び込んで(ピアノを辞めるかどうしようかと悩んでいたので)、そしてそこでバルト先生という人に会えて、この道に進むことになったりしたからなのですけど、光子さんとの再会も、音楽をこよなく愛し、そしていろいろなことに興味をもたれて日々努力しておられる姿、謙虚なお姿をみて、こういうふうに生きていくということが、なんだかとても大切に思えたので、このタイトルにしました。いい出会いに本当に感謝です!

イギリスのこと

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 皆様、不可思議なお天気でしたが今日はいかが過ごされましたか?私は横浜へいって高校の同級生とランチをし、コーヒーのおかわりをおそらく5杯以上して、楽しくしゃべりまくってきました。。
 家へつくと、10月に行われた「John Kerr Award」の主催者の方からご丁寧なお手紙をいただいていて、写真を何枚かいただきました。そこで私はあんまりこのことについてはこのブログに書いていないということに気づきました。。
 アントニオ氏との演奏会の合間を縫って、どうやって成田までたどり着いたのかしらというくらい、あいまいな記憶の中で飛行機にのり、ついたらロンドンだったという10月の2日。5年ぶりのロンドン!と思ったけれど、テムズ川のキラキラした水面を電車から眺めつつ、一度もロンドンの空気を吸うこともなく、1時間ほど南に下りコンクールのあった街へ。とてもおしゃれな街「タンブリッジウェルズ」-そしておそらくとてもリッチな人々が住む街なのか、大きい邸宅、おしゃれな庭が目につきました。
 コンクールは「フィンチコックス」というお城の中で行われ、まあ贅沢な!鍵盤楽器がおそらく100台くらいあるなかの、コンディションがいいものをフォルテピアノは5台くらいメインホールに置いてあって、その中からさらに自分たちがプログラミングした曲にあったピアノを選択するという、(フォルテピアノをやっていて、一番楽しいのはここの部分かも!) とても楽しい、発見の多いコンクールでした。
 本番は5日で、かなりのお客さまが入り、私は3台の自分が選択したピアノを、用意していった歌曲5曲にあわせてチェンジしていったのですが、お客さまとの距離がまあ近い!手が震えているのがばれちゃったかもしれません。なかでも1821年の「ジョン・ブロードウッド」がとてもコンディションがよく、クレメンティの歌曲「ノルウエーの少女」という暗ーく悲しい物語を、低音のおどろおどろしい感じと、高音のやさしく歌ってくれる感じをうまく引き出すことができたので(「私が引き出す」というか勝手にそうなるという感じの方が近いかも)、弾いていて、私も感極まりました。ヒストリカルのピアノを触ることっていうのは、本当に手の中に、指の先に感じるものがコピーとは全然違うので、心がウキウキする反面、こういう楽器と対話できるという、「一期一会」に自ずと体が反応していくという興奮を味わいます。
 結果は無事私の歌手アンジェリークちゃんが2位をいただき、私自身も伴奏賞を頂くことができて、わざわざ行った甲斐があったのですが、いただいたコメントがとてもうれしくて、「ただピアノがうまいとか、伴奏するということではなくて、感動を与える瞬間を創造した」伴奏者ということで賞をいただけました。これも普段からたくさんのかたに支えられていただいたものなので、私一人の力ではありません。特にアントニオ氏に「何があっても自分より音楽を尊重する」という姿勢、それから大切なお友達の一人ジョー君からいただいた「自分の得意な、自分にしかできないことを表現すればいいだけのことで、そこに「恐れ」はないはずだ」というコメントは、その頃の私には大きな力となりました。またこの場を借りていつも見守ってくださる方々にも御礼を申しあげたいと思います!ありがとうございました!

 ちなみに上の写真は「旅行用ピアノ」でコンディションがとても良く、弾いていてあまりにたくさんの表現の可能性があるので、本当に驚きました!
 下の写真は主催者さんのご自宅にあるピアノで、中央の写真が「ジョン・ケール」さんです。彼が亡くなったのを惜しんで、奥様が作ったのがこのコンクールです。

挑戦!

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 皆様いいお天気が続きますが、いかがお過ごしですか?私はひさびさにオーディションなるものを受けてきて、たった10分なのにやはり練習とはまったく違う緊張感があって、楽しく弾いてまいりました!
 さて、今日はひさびさに一日中ぼーっと過ごしました。家の不要なものをちょこっと片付けて、やっぱり中国語のテキストとにらめっこ。はやく中国語の響きに頭が慣れるといいなあ。ちなみに昨日も、たい焼き片手に「三徳堂」でお茶のんできました。そこで知り合う楽しい「茶友」の方とお話しながら堪能するお茶はやっぱり格別!そこの女主人さんと服の趣味が似ていて、私が昨日着ていた服をさっそく電話でオーダーするという展開の速さ!さすが「おひつじ座!」。

 話はだいぶずれますが、最近R小学校の「6年3組」同級生からお便りいただきました!そこで、9月30日のコンサートに来てくれた皆様と先生の写真を載せてみます!機械音痴の私の初挑戦!写真うまく載せられるかな?

ずっしりと

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 だいぶ冷え込みが厳しくなってきましたね!皆様はいかがお過ごしですか?私は12月生まれなので、やっぱり寒いのは体には応えるけど、冬特有のキリッとした感じとか、室内で過ごす団欒とか大好きです!そしてヨーロッパの冬と日本の冬の感じはぜーんぜん違う!と妙に感動しつつ、やっぱりとても心が充実する、充電できる貴重な時間を楽しんでいます!
 さて、昨日は写真家のYさんと一緒に銀座で映画を見てきたのですけど、「ほのぼのとした映画だよ~」というふうに私は彼女を誘ったのですけど、映画が終わった時にはふたりで言葉をかわせないほど異次元にいってしまってました。。「ぜんぜんほのぼのじゃないじゃん!」とうるうるになったYさんにつっこまれつつ。。
 映画のタイトルは「さくらんぼ 母ときた道」という中国の雲南省を舞台にした映画です。こういう映画がもっともっとたくさんの方に観てもらえたらいいのになあと思うくらい、今急速に失われつつあるもの、それは「家族愛」とか「愛」とか、言葉では簡単に書けるけど、むしろそのもっと奥にひそむもっと野生的なもの、きわめて自然な、普遍的でしかもプリミティブな感覚というものをとても鮮明に描ききった映画だと思いました。物質的なものに囚われすぎている現代人の心に、強く訴えかけてくる、名作だと思います。詳しくは 
www.sakuranbo-movie.com です!