フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

July 2009Archives

なぜフォルテピアノ?

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 piano maintenance July_R.jpgpiano maintenance2_R.jpg 

 さてさて、暑いなか、熱いパソコンに向かいつつ、今日も一日が過ぎていきました。とにかく今月頭にオランダからはるばるやってきてくれた15箱のダンボールの山に埋もれながら、貴重な楽譜たちとにらめっこする日々が続きます。いつ終わるんだろう。。しかしながらハーグ王立図書館の膨大な資料は本当にマニアックで、これらを全部弾いたりできたらいいのだけど。。人生は短く芸術は永遠!ですね。 
 
 我がイトシの楽器もまだ調整中(写真)で、あともう少し!ってとこまできています。早くまた一緒に暮らしたいなと願うばかりです。
 
  最近実は大学の時の方々と、こっそりと、またはばったりと出会うことがあります。この前もギンザを歩いていたら私の代のときの学長先生とすれ違ったし、その1分後に同級生のA君が楽しそうに歩いていたし。そして今日は同級生の有名ソプラノ歌手から、いきなりの連絡。いや~うれしいなあ。そして彼女の一言、「フォルテピアノっ?丹野らしい・・・」といわれて、そうか、私らしいのか、と考えてしまったのであります。
 
 そもそも、私が「なんで音楽をしているか」と聞かれたら、たぶん「歌が好きだけど、歌がへたっぴなので、せめてピアノで何か歌の持っている表現に近づけたらなあ、もしくはピアノを弾くということで、「歌」のそばにいられたら幸せだな」という、実を言うと、自分の音楽のルーツはかなりのパーセンテージで「うた」にあるのであります。
 
 なぜか?なぜそこまで歌にこだわるのか?おそらく、高校生のとき、音楽科に数名の「ウタカ」(歌専攻の学生)が入ってきて、そこで、放課後に聴いた歌が窓ガラスを震えさせるのを目の当たりにした時、「人間ってすご~い!」と妙に感動してしまって。それからというもの、とくに声楽の伴奏というものにかなり興味をそそられたのであります。
 
 大学に入ってすぐのころ、芸大でエリー・アメリング氏がマスタークラスの先生として呼ばれていて、ものすごーく苦労して入ったガクリ科の授業を即効お休みして、丸一日かけてずーっと聴いていました。その雰囲気ったら、もう、今想い出してもすごかった。声楽の教授陣といい、受講者といい、本当にみんな正装で、すっごい緊張感の中で、まあトップの人たちが歌う歌う。「これ以上どこを注意するのでしょう?」ってくらいみんな上手くって、それでもアメリング氏は、妖精のように、軽い身のこなしで舞台に魔法をかけていき、彼女のほんの一言が、歌を芸術にまで昇華させてしまう。あの時間のなかにいた時、「あ、私の生きる道はこれなんだ」って、「これだ、これ」っていう、確かなものが自分のなかに出来上がって、「私は歌といっしょにいたいんだって」ということに気づいたのであります。

 そんな中その2年後に、偶然にもフォルテピアノっていう楽器に出会って、モダンのピアノじゃなくって、当時のピアノで歌とやったらどうなるのかしらん?という興味が自然に湧きあがって、そんななかで恩師のバルト先生に会って、「歌曲伴奏法が、私のメインだから、あんまりソロとか弾かないでいいですよね?」という、世にもめずらしい生徒をあっさり受け入れてくださって、(その後先生の「ソロも自分が思ってるよりもむくのにね」という一声で、最近はやっとその楽しさもちょっとわかってきた)、なんのご縁だかアメリング氏の本拠地、オランダへ留学することになったのであります。

  バルト先生とは、本当によく議論したし、意見がぶつかることもあったけど、「伴奏」っていうことじゃなくって、ちゃんと「共演」する持っていき方を本当によく教わりました。私の個人的な好みはやはり「うた」がメインで、本当に歌の人にぴたっと寄り添いつつ、音楽を一緒に織り成すことで一枚の絵みたいにもっていけたら最高にいいものができるんじゃないのかしら、というのが、今のところの私の理想です。

 どんな演奏家と音楽をご一緒させていただいても、「うたのある人」っていうのは本当に一緒にやっていて楽しいし、自然に音楽が流れていきます。私がソロを弾く時もやはり最終的には「うた」のように流れて、ふわっと聴いてくださる方に届くように心がけていますが、、まあ、千里の道も一歩から、これからも温かく見守っていただけたらと、心より願っております。 
 
  7月24日より、ローソンにて9月4日東京オペラシティ リサイタルホールでのコンサート、ついに発売です!今後「スケジュール」を充実させていきますが、歌うようにチェロを奏でるスペインの新星ホセッチュ・オブレゴン氏との共演、聴きにきていただけたら本当に幸せです!

思いがけず

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 今日はたまたまきいていたラジオで、宇宙戦艦ヤマトの音楽が聞こえて、かっこいいなあとおもっていたら「東京ブラススタイル」という人たちの演奏。調べてみると、全員ガールズ!おお!恐るべし!金管というとどうしても男性をイメージしてしまう自分が古いことに気がつきました!時代の波に乗んないとね!もっと聴いてみたい!

懐かしい!

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

barbeque bart garden 2003_R.jpg

  6年も前の、留学真っ只中の写真を見つけました!2003年のものです!左手の緑の服を来たのが、私の師匠バルト・ファン・オールト氏です。そして右手にいるのが、もうひとりの巨匠スタンリー・ホッホランド氏。いや~なつかしい!皆様には本当にお世話になりました!

満月の夜

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 雲の隙間からきれいな満月!七夕の夜いかがお過ごしですか?


 今日はハーグでお世話になった方々の演奏会のお知らせです!お近くにお住まいの方、ぜひ聴きにいってみてください!フォルテピアノとフルートとチェロの素敵な組み合わせです!

  http://nihonoranda.jp/ja/events/item/634 お問い合わせ 東京古典楽器センター 03-3952-5515 http://www.guitarra.co.jp/CL01/list.php?word=ZB

 明日は私の楽器に会いにいきます!2ヶ月も会っていないので、ちょっと心配ですが、気分転換がてらいってきます!

 

 

珍道中から得たもの

| | Comments(0) | Trackbacks(0)

 長い間の沈黙、お許しくださいませ!

 なんとか45日を乗り切り帰国しました。まだ一週間も経っていませんが、いろいろな仕事そして身辺整理に追われる、とても慌しい毎日です。
 演奏実践を通して学んだこともたくさんあるのだけど、今回の旅は人間としていろいろなことに気づかされたことの方が、大切だったような気がします。たくさんあるので、ここに書ききれないけど、簡単に言えば、「人は日々成長しているな」ということと、そしてやはり「変わらない」その人なりの優しさというのがあって、とにかく人を理解するなんていうことは、もっとも尊い、楽しいことであり、そしてやっぱりその変化を弛まずしっかり見て、そしてしかも長い目でそれを理解しようとすること。決して決め付けたり、あきらめたりしないで。そうしていくと、なんだか、すうーっと見えてきたような、楽になったような、そんな気がします。写真も少しばかりとったので、出来れば今後アップしたいなとおもっております。
  
  しばらく日本にステイしますが、9月4日東京オペラシティ リサイタルホールで、「美味しい音楽会」(http://fullmoonbeer.com) という斬新なアイデアの中、「月光」全楽章とチェロ・ソナタ(ホセッチュ・オブレゴン、http://www.josetxuobregon.com)を、それから9月30日、みなとみらい小ホールで「18世紀イタリアの華麗なる響き」(http://www.antoniopiricone.com)と題して、連弾します。またプログラムをちょっと変えて、10月8日近江楽堂でも演奏します。そのあとはしばらくヨーロッパ・ツアーが続きます。詳しくはまたスケジュールにアップしますので、しばらくお待ちください!

   あと、ご報告すべきことは、アントニオ氏とオランダの由緒あるコンクールにセミ・ファイナリストとして招待されました。10月30日にアムステルダムで行われますが、これもまた少しずつアップしていきます。http://www.vanwassenaerconcours.nl/partNL.php

    それから、今後は社団法人 全日本ピアノ指導者協会 正会員として、自分のできうる限りの経験と知識を生かし、音楽をより楽しく、生き生きとしたものとして伝えていくことも徐々に始めたいと思っておりますので、これからも温かく見守っていただけたら、とても幸せです!
 
  今日は、満月の夜、そして七夕!素敵な夏の夜をお過ごし下さい!(フルムーンビール、旬です!)