フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

December 2009Archives

ヘ長調と私

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Janine's favorite_R.jpg 

 今日は、きりたんぽ鍋なんかしちゃって、そのあとデザートなんかも作っちゃって、贅沢な夕食。私にしてはがんばった!
  今日の練習で、自分の音がホワっと、宙に飛んでいって、それがなんとも自然で、テンポ感とかも初めてなのに、サッと入っていけて、なんなんだろうと。シンプルな形、飽きのこない音の羅列。でもね、モーツァルトが難しいのは、ここからさらに深めていく時にいつもあーでもない、こーでもないしていると、するりと逃げられちゃうこと。。。ピアノソナタのKV533を勉強中。
  思えば私は「ヘ長調」という調性が大好き!なんでだろうと追っていくと、一番最初に真剣にやったソナタもKV332、それからバッハのイタリア協奏曲。ヘ長調は優美なのに、「テンペスト」を象徴したり、「ドン・ジョバンニ」なんかの激しさを象徴する「ニ短調」に突然変移したりするところとか、でも激しさはつかの間で、ちゃんと自然にシンプルな、ハ長調とは違った透明度で着地するような、それでいて温かみがある音の感じがむかしッから好き。
 そういえばこの前優勝をいただいたときにも最後はハイドンの「先生と生徒」でヘ長調だった!あんなコミカルに演じたりしても(携帯電話をコンクールで鳴らすなんて、結構度胸がいった。。)、キチンとヘ長調のメヌエットで終わるから、後味が安くならず、「芸術」としてしっかり伝わる。伝えることができる。
  なんとなくもっとヘ長調を調べてたら、大好きなキム・ヨナちゃんが踊っていたのもガーシュインの「ヘ長調コンチェルト」だったりして、選曲もさすがだ!ピアノが入ってくるとこの、普通だったらピアノコンチェルトで、「さあ、弾くよ!」って気合はいるところで、さっそくあの気だるい感じでカウンターパンチ!を食らわすところが、ほんと天才の神業!
 私にとってはへ長調の音のイメージってなんとなくグリーンで、それでこの写真はオランダにいた時に駱駝さんの毛で編んだショールをいただいた方が食後につくってくださったデザート。わざわざ器も用意しちゃうところにセンスのよさを感じる。なぜかこの器の色を思い出して、急に食べたくなったので再現してみたが。。本場の味には及ばず、おそらくコンポートにするときワインをケチったか、水を多く入れすぎちゃったかな。。。再度挑戦!

やっとやっと帰国です!

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 Tempo Rubato VWC2009 Winner_R.jpgTempo Rubato 2009 NOV Haydn VWC_R.jpg 

 ふうーー2ヶ月ぶりの再会です!寒いですが皆様お変わりありませんか?

 ここんとこの私の2ヶ月。正確には54日間。たのしかったし、とても貴重な経験をたくさん積ませていただきました。また新たな刺激的な出会いに心をはずませ、その一方、旧友との深い絆を改めて確信しつつ。。飛行機の中からたくさんの星をみながらそれらの出会いについて綴ってきました!とても濃い時間だったと思います。
 そんな中、もう1ヶ月前のことですが、国際古楽アンサンブルコンクールVan Wassenaer Concoursに「テンポ・ルバート」アントニオ氏と私のフォルテピアノ・デュエットがなんと優勝してしまいました!いろいろな偶然が重なって、さらっと、ふってきたような、そんな感じで、あまりずっしりとした手ごたえはなかったのですが、ジワジワと実感してきております。そして今後、これはとてもよい風になって、私達をいろいろな人、場所、時空へと運んでくれそうな。。いまから来年の優勝ツアー、ベネルクス3国でのツアーをとても楽しみにしております!(2010年10月)
 写真は決勝の時の演奏中で、ハイドンの「先生と生徒」という作品を、コメディーっぽく仕上げ、私がピアノの弾けない生徒役を演じていて、アントニオ氏が先生役なのですが、彼が即興演奏を始めたりして、独り舞台になったので、私は飽き飽きして寝てしまえ!というショットの直前のところが、なぜだか写真家の方に撮られていました!

http://www.youtube.com/watch?v=eoDVTvCwEgY

 あと、TV出演もありまして(アントニオ氏のTV撮影に慣れていることったら!)オランダの有名な音楽番組に出させていただき、インタビューの後8分間くらい演奏をしましたが、その模様がYOUTUBEで視聴できるので、ご覧くださいませ!またコンクール後、オランダの「ラジオ4」が決勝での演奏を流していましたので、それも近いうちにアップいたします!またイタリアのラジオ局にも取り上げていただき、とても幸先のよいスタートを切ることができました。

 これも普段からお世話になっている方々、ファンの方々の支えあってのことでして、この場を借りて、深く感謝いたします!しばらく日本にいますが、来年はイギリスに少し活動を広げようとしているところです!今後ともなにとぞよろしくお願い致します!