フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

ヘ長調と私

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 今日は、きりたんぽ鍋なんかしちゃって、そのあとデザートなんかも作っちゃって、贅沢な夕食。私にしてはがんばった!
  今日の練習で、自分の音がホワっと、宙に飛んでいって、それがなんとも自然で、テンポ感とかも初めてなのに、サッと入っていけて、なんなんだろうと。シンプルな形、飽きのこない音の羅列。でもね、モーツァルトが難しいのは、ここからさらに深めていく時にいつもあーでもない、こーでもないしていると、するりと逃げられちゃうこと。。。ピアノソナタのKV533を勉強中。
  思えば私は「ヘ長調」という調性が大好き!なんでだろうと追っていくと、一番最初に真剣にやったソナタもKV332、それからバッハのイタリア協奏曲。ヘ長調は優美なのに、「テンペスト」を象徴したり、「ドン・ジョバンニ」なんかの激しさを象徴する「ニ短調」に突然変移したりするところとか、でも激しさはつかの間で、ちゃんと自然にシンプルな、ハ長調とは違った透明度で着地するような、それでいて温かみがある音の感じがむかしッから好き。
 そういえばこの前優勝をいただいたときにも最後はハイドンの「先生と生徒」でヘ長調だった!あんなコミカルに演じたりしても(携帯電話をコンクールで鳴らすなんて、結構度胸がいった。。)、キチンとヘ長調のメヌエットで終わるから、後味が安くならず、「芸術」としてしっかり伝わる。伝えることができる。
  なんとなくもっとヘ長調を調べてたら、大好きなキム・ヨナちゃんが踊っていたのもガーシュインの「ヘ長調コンチェルト」だったりして、選曲もさすがだ!ピアノが入ってくるとこの、普通だったらピアノコンチェルトで、「さあ、弾くよ!」って気合はいるところで、さっそくあの気だるい感じでカウンターパンチ!を食らわすところが、ほんと天才の神業!
 私にとってはへ長調の音のイメージってなんとなくグリーンで、それでこの写真はオランダにいた時に駱駝さんの毛で編んだショールをいただいた方が食後につくってくださったデザート。わざわざ器も用意しちゃうところにセンスのよさを感じる。なぜかこの器の色を思い出して、急に食べたくなったので再現してみたが。。本場の味には及ばず、おそらくコンポートにするときワインをケチったか、水を多く入れすぎちゃったかな。。。再度挑戦!

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