フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

ロマン主義的反語

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 今日は目白第二回目の練習で、その道すがら、吉田秀和さんの「永遠の故郷」夕映に目を通していました。その一節に詩人ハイネは思ったとおりいわなくって、逆の言い方をするのが彼の詩法だったと書いてあって、それを「Romantische Ironie」と呼ぶと書いてあったので、これは音楽を見る時に使えそう!と。シューマンの音楽は確かにこの詩人と相まってちょっと裏をかかれたり、深みにはまってでてこられず。。なんてことがあるんだけど、クララの音楽は本当に直球でくるというか、あの目の力そのもの、まっすぐに力強く飛んでくる音だなと今日、ふと練習してて思いました。

 音楽を言葉で綴るという作業は、本当に難しいのだけど、吉田秀和さんの文章はさくさくっと胸の中に入ってきて、あとからどんどんと膨らんで、もっと読みたくなる感じ。膨大な幅広い知識と、それから音楽に対する深い愛情がそうさせるんだなきっと。

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