フォルテピアノ奏者 丹野めぐみ BLOG。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、オランダ初めヨーロッパ各地にて研鑽を積み、同地にて活躍。現在オランダでもっとも権威ある「De Nederlandse Opera」のメンバーとして参加、また「Amsterdam Barok Opera」にて活動の場を広げるとともに、ヨーロッパを中心に、室内楽とドイツリートの分野で精力的な活動を行なっている。

フランツとマリー 愛の日々

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 今日は朝しっかり練習をしてから、午後から汐留に出向いてピアニストの飯野明日香さんとご一緒させていただきました。そうしたらピアニストの澤田まゆみさんともお久しぶりにばったり再会できて!なんてラッキーなんでしょ!大好きな先輩方に囲まれて、幸せな一日でした。

 そして、ユーロピアノ汐留ベヒシュタイン・サロンの「フランツとマリー 愛の日々」という長大スペクタクルにご招待いただき、楽しませていただきました。ベヒシュタインというピアノの高音から低音までの幅広い音色、そしてそのたゆたうような変化はピアノそのものがもつ個性でありながら、それを自在に使いこなすアンリ先生のセンスだと実感いたしました。「悲しみのゴンドラ」でメロドラマ風に、音楽に乗せながら語りが始まって、心の中では「待ってました!」と叫んでいました(笑)またこの曲には極限の悲しみやはかなさが表現されていて、なんともいえない深みがあることを再発見しました。リストのことはなんとなーく知っていたような気になっていましたが、やはり詳しく解説していただくとおもしろかったです。やはり私は晩年の音が少なくて、より真意に迫った、ギリギリの感じを保っているあの張りつめたリストが好きです。音の爆発では自分の内面を吐露することはもはやできない。。そんなあたらしい境地を踏み出したリストの曲は、普段あまり接することがないにもかかわらず、心にずしりと来ました。

 「愛の夢」のような名曲も、またベヒシュタインで弾くと、音のきらめき、そして和声の展開を頭では予想できているにもかかわらず、いい意味で予想を裏切って、「こういう音色もあるんだ!」と再発見できるのは、あのピアノならでは、そして成熟したピアニストならではの神業ですね!

 写真は、オランダでお世話になっていた家の薔薇。なんとなく、また第二の故郷を懐かしむ気持ちがふっとわいてきました。

 

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